はじめに
「リールを増やしたほうがいいと聞いたけど、本当に自社アカウントに合っているのかわからない」——そんな悩みを持つSNS担当者は少なくありません。
InstagramはリールへのアルゴリズムUP、写真投稿の安定したエンゲージメント、カルーセルの高い保存率など、フォーマットによってアカウントへの貢献の仕方が異なります。「リールが伸びている」という情報だけを鵜呑みにして投稿を切り替えても、自社のフォロワー層や発信ジャンルによっては逆効果になることもあります。
この記事では、フォーマット別に見るべき指標の違いを整理したうえで、同じアカウント内でリール・写真・カルーセルのパフォーマンスを正しく比較する手順、そして分析ツールのフォーマット別スコア機能を活用して「自社に最適な投稿ミックス」を見つける方法を解説します。
なぜフォーマットによって見るべき指標が違うのか
フォーマットごとに「何を目的とした投稿か」が異なるため、同じ指標で横並び比較しても意味がありません。
リールは「リーチ」と「再生数」が主役
リールの最大の強みは、フォロワー以外へのリーチです。Instagramはリールを発見タブやリールフィードで積極的に配信するため、アカウントを知らないユーザーへのリーチ数が他フォーマットよりも大きくなる傾向があります。
リールを評価するときは、リーチ数と動画再生数(特に3秒以上再生)を優先指標として設定しましょう。エンゲージメント率が低くても、リーチが大きければ認知拡大の役割は果たしています。一方、再生時間が短い場合は、冒頭の引きが弱い可能性があります。
写真投稿は「保存数」と「エンゲージメント率」に注目
写真投稿はリールほどの拡散力はありませんが、フォロワーとの関係性を深めるうえで効果的です。「あとで見返したい」と思わせる情報量のある投稿は保存数が高くなり、Instagramのアルゴリズムからも評価されます。
写真投稿を評価するときは、保存数とエンゲージメント率(いいね+コメント+保存÷リーチ)を重視しましょう。リーチが少なくても保存率が高い投稿は、フォロワーにとって価値あるコンテンツと判断できます。
カルーセルは「スライド閲覧率」が鍵
カルーセル(複数枚投稿)は、1枚目をスクロールで流し見されても2〜3枚目まで閲覧されることで再リーチが発生する仕組みです。全スライドを見てもらえているかどうかを測る「スライド閲覧率(最終スライドリーチ÷1枚目リーチ)」が特有の指標になります。カルーセルは「情報をまとめて届けたい」「比較・ステップ解説をしたい」場面に向いており、保存数も高くなりやすいフォーマットです。
フォーマット別パフォーマンスを比較する具体的な手順
指標の意味を理解したら、次は同じアカウント内でフォーマットを横断比較する手順です。
Step1 比較期間を揃える
フォーマット別に直近30日や90日など同一期間を設定します。季節性やキャンペーン期間に引っ張られないよう、できれば3ヶ月以上のデータで比較するのが理想です。
Step2 フォーマットごとに投稿をグループ分けする
Instagramインサイトの「コンテンツ」タブから、投稿を「リール」「写真」「カルーセル」に絞り込みます。手動の場合はスプレッドシートに転記し、フォーマット列を追加して分類します。
Step3 各指標の平均値を算出・比較する
フォーマットごとに以下の数値を集計し、平均値を出して比較します。
- リール:平均リーチ数、平均再生数、フォロワー外リーチ率
- 写真:平均保存数、平均エンゲージメント率
- カルーセル:平均保存数、最終スライド到達率
単純に「いいね数が多いフォーマット」ではなく、目的(認知拡大・関係深化・情報提供)に対応した指標で評価することが重要です。
分析ツールのフォーマット別スコア機能で「自社に合った投稿型」を見つける
フォーマット別スコアとは
Instagram分析ツールの多くは、フォーマット別にパフォーマンスを自動スコアリングする機能を持っています。リーチ・エンゲージメント・保存数を加重平均したスコアをフォーマット別に算出し、「このアカウントではカルーセルのスコアが最も高い」といった結果をグラフで確認できます。手動集計では見落としがちな「フォーマット×投稿テーマ」の組み合わせ分析も、ツールを使えば短時間で実施できます。
スコアをもとに最適な投稿ミックスを決める
スコアが高いフォーマットを増やす方向性は正しいですが、全投稿を1フォーマットに統一するのは得策ではありません。目的別に使い分ける「投稿ミックス」の設計が、長期的なアカウント成長につながります。たとえば「認知拡大はリール70%、関係深化は写真20%、情報まとめはカルーセル10%」のように比率を設定し、スコアの変化を見ながら月次で見直すサイクルを作りましょう。
まとめ
リールと写真投稿のどちらが優れているかは、アカウントの目的・フォロワー層・発信ジャンルによって異なります。重要なのは「フォーマットごとに見るべき指標を変える」こと、そして「同一期間・同一条件で比較する」ことです。
分析ツールのフォーマット別スコア機能を活用すれば、手動集計の手間を省きながら自社に最適な投稿ミックスを継続的に最適化できます。まずは直近30日分のデータでフォーマット別平均値を出すところから始めてみてください。
